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ラーメン

僕はあまりラーメンが好きではない
が、安くて早くてそこそこお腹いっぱいになるので食べることも少なくはない。
 
世の中は広い。
このラーメンひとつにもいろいろな楽しみ方があるようで、周りのお客さんが麺の固さを注文するのである。
 
よくわからない表現もあったので調べてみると
 
やわらかめ
普通
硬め
やや硬め
バリ硬
針金
湯気通し
粉落とし
乾麺
小麦
 
 
と、こんなにあるらしい。
 
内容はよくわからないが、ひとによって好みがあるのだろう。
(字面から伝わるものはある)
 
とあるラーメン屋で、客の老婆がツウな注文をしていたのを聞いたことがある。
 
婆:ラーメン、粉落としで、湯気通しまでいかないくらいで、ありゃ固すぎるよ
 
 
なんでもそうである。
こだわり、と呼ぶには抵抗があるが、人生を豊かにするのはいつもほんの少しの飾り気だったり洒落っ気だったりするのだ。ぼくはこのことを強調したい。
 
この老婆も普段どんなにいいものを食べているかわからないが、今日はラーメンに少しの注文をつけて老い先短い人生にタンポポを添えているのだ。
 
店員が店長に老婆の注文を伝える。
「ラーメン、かため」と言ったのを僕はしっかり聞いた。
 
しかしもちろん重要なことではない。
老婆はかためのラーメンを食べて満足して帰るのだ。
 
世の普通に従っていては、決して出会うことのない「生活の豊かさ」について考えた。