詩人と名乗ることにした。なぜか古文漢文必要か問題に触れてしまった。

詩人。

 

直接見た事はなく、また

「この人詩人やなぁ〜」と思ったこともない。

たいして読んだこともない。

 

しかし名乗るのは自由である。

 

昔アルバイトで学校で使う教科書の校正を手伝ったことがあった。

もちろん中身も読む。

 

俳句に詳しそうなオバチャンが

俳句について、説明しているページがあった。

 

自分の少女時代のみずみずしい体験を

とてもみずみずしく素晴らしく表現した短歌が書いてあった。

 

(さきほど俳句といったが短歌と区別がついてない私)

 

「正直なところ、自分の少女時代に酔い過ぎ」というのが

当時23歳の私の感想であった。

気持ち悪いと思った。

 

しかし何時間も校正して

単純な文字列を相手に、頭がボーっとした中で、

その短歌の情景が心に沁み入ったのは間違いなかった。

 

朝日だか空の青さだかが

少女に新鮮な世界を味合わせるような内容だった(気がする)が、

シンプルにわかった。

共感した。

内容は覚えてないが、その体験は覚えている。

 

国語の教科書の校正はそういう意味でとても

私の人生に影響を与えた。今も。

 

 

教科書でおぼえた名詩 (文春文庫PLUS)

教科書でおぼえた名詩 (文春文庫PLUS)

 

 

 

オバチャンの短歌だけでなく、

中村草田男

「万緑の中や 吾子の歯 生え初むる」

という俳句は衝撃だった。

 

 

俳句と人生―講演集

俳句と人生―講演集

 

 

 

これを見てなんとも思わない中学生もあなたも

何人かはきっと人生のどこかで思い出す。

忘れても、同じ感動をどこかで味わう。

 

 

人のこころは一定じゃない。

言葉も、波長が合うときと合わないときがある。

 

目にした言葉と波長が合ったときの

あの「わかる」感じはとても強い感情を引き起こす。

 

詩の数々はほとんど合わない。

でも自分に合うものに出会うタイミングがある。

 

 

昔、にちゃんねるというサイトで

「五七五で素敵なことを言うと、誰かが最低な七七を返す」という

短歌遊びをしている掲示板があった。

とても面白かった。

 

例えば

誰かがこう書き込む。

「バレンタイン あの人思い チョコ作る」

 

すると誰かがこう返す。

「うんこに見えて 自分で完食」

 

例えがひどいが、

こんな感じで知的でユーモアのある世界が広がっていた。

詩的遊びは人間の根源的な活動のひとつだと思った。

日本人の場合は短歌形式がやはり性に合うのだろうと。

 

 

五七五が面白い!

五七五が面白い!

 

 

 

 

僕は詩と言えば、

CHAGE&ASKAとして有名な(別の事件でも有名な)

ASKA氏の歌の歌詞が好きである。

 

彼の詩はほとんどすべて少年の詩であると思う。

少年という言葉がしっくりくるが、

それは不安定な人間の精神のルーツになる部分だと思う。

男女に関わらず。

 

誰もが揺り動く自分のこころと折り合いをつけて生きている。

そのあたりに差す木漏れ日のごとく、

彼の詩は誰にでも共感できる優しさや弱さが

とても美しく並べられていると思う。

曲に完璧に合致しているのも素晴らしい。

 

 

VERY BEST ROLL OVER 20TH

VERY BEST ROLL OVER 20TH

 

 

 

 

つまるところ

人生は文学的なところがある。

精神が文学的なのか、はたまた文学が精神の化身なのかわからないが、

人が生きるのに最低限必要なのは生産ではなく、

こころのリズムである。

 

古文漢文が義務教育に必須かという議論がある。

センター試験に必要かは私にはわからない。

人は生産せずとも生きて行けるが、

【生きて悩んで死ぬ】のは避けられない。

人は常に【生きられてしまっている】。

 

これは精神そのものの問題である。

我々がどこから来てどこへ行くのかという問題は

生命活動そのものである。

 

日本の地に生まれ、日本の文化で育った人は、

生きている以上、必ずその文化的ルーツが自分の問題になる。

 

ということで個人的には、

古文漢文は日本での教育にとって

【人が生きて行くのに最低限必要な教育】のうちに入ると思う。

 

他の教育事項と比べての優先具合はわからない。

(理学的学問も人間の情緒と無関係ではないと思っている)

 

詩の話がしたかったのに、

いつの間にか古文漢文の個人的意見になってしまった。

 

詩についてはまた今後何度か書くことにする。

かしこ

 

 

だれでも詩人になれる本 (あなたも詩人)

だれでも詩人になれる本 (あなたも詩人)