移動と精神
川沿いをふらふらしていると、出くわすのは決まってジジイである。
最近自転車での数時間の小旅行に熱をあげている。
川沿いが楽だから多く走るが、場所によっては住宅街も面白い。面白くない住宅街もある。
そこで走っている間にちょこまかとのぼる考えがある。
移動と精神の関係である。
移動は必然的に未知との遭遇である。
例えば、少し道をそれただけでも、普段とりたてて話題にせず、またそれに言及するための言葉すらないような、小さな在り方や文化の差異を体験する。国にはそれぞれの雰囲気があり、都道府県も同様である。場所にはそれぞれ作法があり、道路にはそれぞれルールがあり、あらゆる居住スペースにはそれぞれの生活スタイルがある。自然条件によって形成される植生や生物分布、それと人間生活によって形作られる景観は、すべてが相まって、結果として風土と呼ばれる様な雰囲気がある。
それらを考慮にいれると、空間的広がりは精神的多様性と無関係ではいられない。
というようなことだが、やはり自転車をこぎながら漠然と考えている段階ではうまく文字にできない。