自営業開業で失業保険を得た体験談

この労働乱世、どういう経緯か知らぬがフリーランスになろうという若者は少なくないだろう。かくいう私も企業社会になじめず、はじき出され、どうにかひとりで生計を立てれぬかと試行錯誤している真っ最中である。ちなみに今のところ絶望的である。しかし僕は会社クソくらえ精神の若者を味方したい。勝手に親近感がわくからだ。もしうまく事業がまわった暁には僕に仕事をくれたまえ。デザインと名のつくものはなんでもこいである。


短い会社員時代、保険や年金に隠れてコッソリ払っていた雇用保険、これが今の生活をつないでくれている。ちなみに僕は妻子持ちである。


自営業開業では、失業保険のうちの再就職手当がもらえた。この経緯を以下に述べていくが、もしこれからもらおうとする場合には気をつけなければならないことがある。


それは手当の申請は、はやまってはならない期間があるということだ。この期間にやらかすと手当はもらえない。ちなみに手当の申請中は、開業しようとする意志、開業の準備も、開業と同等とみなされる。そのためこの期間に自営業用の設備投資や広告行為をすると手当はお預けである。あくまでその期間がすぎるまでは就職しようとするピュアな心でいなければならない。その期間について詳細は以下で述べる。


さて、会社をやめると離職票が郵送されてきた。これと写真を持って、僕は居住地から最も近いハローワーク府中へ持っていった。写真はなるべく持って行こう。後で提出するというのはなんだか面倒くさそうだった。まずは入ってすぐ右の総合受付へゴーだ。すると勝手に失業保険の申請ということになる。対人恐怖症の僕にしてみると、こう話が勝手に進むのは有難い。みんないい人そうだ。会社もこんな人たちだらけであったら、僕は辞めずにすんだだろう。ここで一度練習に、パソコンを使って求人票を出してみようと言われ、それは次のステップで必要になると言われる。すぐできるので試しにやってみるといいが、実際のところしなくても問題ない。


ここまできたら半分はもらったようなもんである。


丁寧に今後のスケジュールを説明されその通りにする。具体的には翌週に説明会。これはハローワークを使って就職する方法を1時間程度聞き流すものだ。思いの外満席でビックリだが誰とも話す必要はない。安心安心。オススメは壁際か窓際の席である。


そしてその翌週にもまたなんだか説明会である。今度は2時間。ここでは失業保険のお話しである。ここでも誰とも話す必要はない。安心安心。意外だったのは僕以外ほとんどの人が35歳以上だったことだ。みんないろんな人生があるのだなあと思った。


次はそこから二週間後、認定日というものである。とにかくハローワークに行かねばならない。ここまでに求職しようとした実績が1回必要であると言われるが、先のなんたら説明会が実績に含まれるというので自動的にクリアである。この辺りは各ハローワークによって違うようである。とにかく、あっ!と言う間に終わりである。


さて、再就職手当を頂こか、と思うがそうもいかない。最初にハローワークに行ってから約1ヶ月間は、ハローワークを通じた就職しか再就職手当に該当しないのだ。ピュアに就職を目指す身としてはここでもハローワークにて求職活動をするのだが、ここらあたりからムズムズと自営もしてみよかなどうかな?と思い始めるのだ。しかしこの期間は待たねばならぬ。


晴れてこの期間がすぎれば、おや!突然自営業開業の意志が轟々とぉ〜やってきてもいーのである。ハローワークに行き、再就職手当申請届をもらって、某書類とともにそれらをハローワークに提出してあとは待つのみである。


某書類というのが曲者である。これは事業が1年を越えて存続できることを確認できるものとある。が、そんなものは存在しない。聞いたところ、不正に手当を受給しようとする輩を排除するためにか、事業の実態があることを確認したいようなのだ。


ごねれば開業届だけでもいけそうな雰囲気はなくなかった。非推奨。

仕事を受けるためにクライアントに実績を紹介するポートフォリオでも良いと言われた。

開業にあたってのオフィスの契約書でも良さそうだった。

業務上の契約書が一番良さそうだった。


僕はもちろん仕事なんか来そうにないが、不正をする気はなく、ちゃんと存続させてみせます!という気合いだけではもちろんダメそうなので、素直にいくつか書類を用意して提出しますた。噂によるとこのあたりのやり取りは郵送でもいけるらしいゾ。


もっと「いやいやこんなんじゃ手当はやれねーぜ坊や」みたいなことを言われるのではないかと思っていたが、とても親切にテキパキとすんなり話は通ったので、ピュアな僕は安心しました。有難く自営業に精を出します!日々営業に勤しんでおります!有難くお仕事ください!


と、いろいろな提出が終われば、意外と早く受給決定のお知らせが郵送で届いた。辞める直前6カ月の給料によるが、僕の場合30万弱。有難い。


こうして企業で働く人がいなくなってフリーばかりになるのを祈るばかりである(?)